いわとかしわ

精選版 日本国語大辞典 「いわとかしわ」の意味・読み・例文・類語

いわと‐かしわ いはとかしは

〘名〙
① (「いわとがしわ」とも) 語義未詳。岩と柏(かしわ)の意か。または、岩石岩礁の上に生える植物の一種か。永遠であることのたとえ。
万葉(8C後)七・一一三四「吉野川石迹柏(いはとかしは)と常磐なす吾は通はむ万代(よろづよ)までに」
※常縁集(15C後)冬「谷河や岩とかしはに降しぐれふるとてかはる色をやはみる」
② (①の「常縁集」の歌から) つれないことのたとえ。
※浮世草子・小夜衣(1683)恋詞の抄「いわとかしわとは時雨に葉のそまぬ物なれはつれなき事にいふ也」
[補注]①は古来諸説がある。岩に生えた柏の意とする説、古く、石を柏といったとする説、「石門堅石(いはとかたいは)」の変化したものとする説、「石常磐(いはとこしは)」の変化したものとする説など。

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