いがいが

精選版 日本国語大辞典 「いがいが」の意味・読み・例文・類語

いが‐いが

〘副〙 (「いかいか」とも。「と」を伴う場合が多い) 大変いかめしいさま、また、あらあらしく力を加えるさまを表わす語。
塵袋(1264‐88頃)四「斑なる虎ありてこれを守護して乳をのませて毛のいかいかとをひたるなり」
[語誌]荒々しい意の「いかし(厳)」の語幹を重ね副詞的に用いられた語か。濁音化した「いがいが」の語形については、「毬」を重複させて、毬のようなとげだった状態を表わし、とげとげした感じを表わす「いがいが」に干渉されたかと考えられるが、未詳

いが‐いが

〘副〙 (「いかいか」とも。「と」を伴う場合が多い) 赤ん坊の泣く声を表わす語。おぎゃあ、おぎゃあ。
※宇津保(970‐999頃)国譲下「とらの時ばかりに、いかいかとなく」
[語誌]「怒る」の語幹を重ねた清音とも、中国四国方言で子供がむずかる意の「いがる」の語幹を重ねた濁音とも説かれ、清濁は未詳。後世の「おぎゃーおぎゃー」から考えて、平安時代でも長音で「いがーいがー」と発音されたとする説もある。

いが‐いが

[1] 〘副〙 栗のいがや、のこぎりの歯などのように、とげとげしたさまを表わす語。
[2] 〘名〙 栗のいがのような状態のもの。
※水の上の会話(1965)〈阿川弘之〉「フジツボのいがいがを」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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