〓華寺(読み)れんげじ

改訂新版 世界大百科事典 「〓華寺」の意味・わかりやすい解説

華寺 (れんげじ)

滋賀県米原市番場(もと中山道の番場宿)にある浄土宗の寺。1284年(弘安7)に一向俊聖(いつこうしゆんしよう)がこの地の地頭土肥三郎元頼(道日)と,もと米山山麓にあった古刹を再興して八葉山蓮華寺と号したのに始まるという。一向俊聖は浄土宗鎮西派の良忠弟子で,時宗の宗祖一遍とは別系の遊行聖であったが,ほぼ同時代に生きその行跡が類似していたために混同され,近世には時宗12派の一つとされ,その一向派の本山とされた。しかし元来が別系であったために1942年に末寺56ヵ寺とともに時宗を離脱して浄土宗に改めた。1333年(元弘3)に六波羅探題北方北条仲時が光厳天皇を奉じて東走を企てて力つき,当寺で一族430余人とともに自害したことは有名で,寺内には仲時ら一族の墓があり,またその過去帳(蓮華寺過去帳)は重要文化財。
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世界大百科事典(旧版)内の〓華寺の言及

【番場宿】より

…現在の滋賀県坂田郡米原町番場にあたる。1333年(元弘3)5月9日,足利尊氏に攻められ,関東に下る途中の六波羅北方探題北条仲時らは,五辻宮(亀山天皇皇子守良親王)を奉じた山賊・溢者(あぶれもの)などの軍勢にかこまれ,番場蓮華寺で主従432人が自害した。蓮華寺には北条仲時以下の過去帳と墓石群が残る。…

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