『ロビンズ報告書』(読み)ロビンズほうこくしょ

大学事典 「『ロビンズ報告書』」の解説

『ロビンズ報告書』
ロビンズほうこくしょ

1963年にイギリス政府により公刊された,高等教育の将来構想策定のため,とくにその方針および方向性の転換を語る上で欠かせない報告書で,正式名称は『高等教育―ロビンズ卿を委員長とする首相任命の委員会報告書』。1961年に組織されたロビンズ委員会(イギリス)は,ロンドン大学の経済学の権威であるロビンズ卿を委員長とする首相の諮問機関で,同委員会のもと,初めてイギリスの高等教育の詳細な調査研究が実施された。その調査結果に基づき,高等教育の中・長期的計画の必要性や,高等教育拡大のための指針や方向性が示されたのが『ロビンズ報告書』で,1960年代の高等教育拡張の推進を理論的に補強し,高等教育の量的拡大のため,大学と非大学型高等教育機関による二元構造(イギリス)の枠組み形成に大きな影響を与えた。
著者: 秦由美子

出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android