KY(読み)KY/けーわい

知恵蔵 「KY」の解説

KY

K=「空気」、Y=「読めない」で、「空気が読めない」という意味である。あるいは、直接「KY」と忠告すると、「空気を読め」という意味になる。2006年ころから女子高生言葉として使われ、07年夏の参院選で大敗したのにすぐに辞めなかった安倍内閣を「KY内閣」と評したことで一般的流行語となった。現代においては「場の空気」を瞬時に読み取る状況判断能力が重要視されることを物語っているが、過度になると「主体性を喪失し周囲に迎合する」こととなり、これも問題である。ある意味、集団同調圧力が強い日本社会ならではの問題かもしれない。ちなみに、1977年に評論家山本七平が著した『「空気」の研究』は、日本人論として、上述の意味の「空気」を分析した書である。

(稲増龍夫 法政大学教授 / 2008年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android