Crohn病と合併する肛門病変

内科学 第10版 の解説

Crohn病と合併する肛門病変(肛門部疾患)

(4)Crohn病と合併する肛門病変
 Crohn病には裂肛,skin tag,そして痔瘻などの肛門病変の合併が高頻度にみられる.
 このような肛門病変は腸病変に先行して初発するものが20%程度に認められるため,Crohn病の早期発見の点から重要である.
 また,特に痔瘻病変は,その愁訴が腸病変のそれよりも患者にとり負担な場合があり,quality of lifeの点から重要となる.
 Crohn病に合併する痔瘻は若年者に発生し複雑なものが多く瘻管は多発し,瘻管走行は複雑で貫通傾向にある.また通常の痔瘻と同様の発生のもの以外にCrohn病の腸病変が直接,直腸肛門に波及した逆行性の感染経路をたどったものがみられる.[岩垂純一]
■文献
Parks AG: Pathogenesis and treatment of fistula-in-ano. Br Med J, 1: 463-469, 1961.
Schouten WR, Briel JW, et al: Ischaemic nature of anal fissure. Br J Surg, 83: 63-65, 1996.
Thomson WHF: The nature of hemorrhoids. Br J Surg, 62: 542-552, 1975.

出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報