龍蹄(読み)りょうてい

精選版 日本国語大辞典 「龍蹄」の意味・読み・例文・類語

りょう‐てい【龍蹄】

〘名〙 すぐれた馬。駿馬(しゅんめ)。龍馬。りゅうてい。
※本朝文粋(1060頃)七・贈藤原行成状〈大江匡衡〉「今朱輪照耀之朝。更加龍蹄於五馬之外
※高野本平家(13C前)七「奥の秀衡がもとより木曾殿へ龍蹄(レウテイ)二疋奉る」 〔曹唐‐病馬詩〕
[語誌](1)漢籍では龍または馬の蹄の意味で用いられていたが、日本では、すぐれた馬、駿馬の意味に変化した。
(2)平安時代まではもっぱら漢詩文の中で使用されたが、院政期には往来物・日記などの記録体の文章にも使われ始め、中世軍記物へと広がって、次第に日常語化していったと見られる。

たつ‐の‐ひづめ【龍蹄】

※行宗集(1140頃)「又二三日ばかりありて、うりやかみおこすとありしが、みてざりしかばかく申に 魚のあみ龍の蹄のみえぬかな水にかくれて空にのぼるか」

りゅう‐てい【龍蹄】

〘名〙 =りょうてい(龍蹄)〔伊京集(室町)〕

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