黒田保(読み)くろだほ

日本歴史地名大系 「黒田保」の解説

黒田保
くろだほ

現八尾町黒田を遺称地とするとみられる中世の保。現立山町を中心とする一帯に比定される三条家領高野たかの庄内の黒田とする考えもあるが、集中的に国衙領由緒を示す郷・保名が検出される婦負郡域に比定すべきであろう。正中二年(一三二五)一一月二五日の承鎮法親王付属状(三千院文書)に「越中国黒田保」とみえ、高野庄内にあり、毘沙門供田と号し、尊雲法親王(護良親王)に譲られている。この黒田保は以下の南北朝期以後の壬生家関係史料にみられる黒田保に続くものとみられる。壬生家領としての黒田保は常に中村なかむら保と並記され、また地頭は両保とも榎並氏であることから両保は近在すると考えられる。建武四年(一三三七)と思われる九月八日付沙弥某書状(壬生家文書)で両保は厨家の便補保とされ、北朝方に属した官務家小槻氏(壬生家)の下に入った。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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