鹿爪(読み)しかつめらしい

精選版 日本国語大辞典 「鹿爪」の意味・読み・例文・類語

しかつめらし・い【鹿爪】

〘形口〙 しかつめらし 〘形シク〙 (「しかつべらしい」の変化した語。「しかづめらしい」とも。「鹿爪」はあて字) もっともらしい。堅苦しくまじめくさった感じがする。まじめぶっている。形式ばっている。
当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉一〇「寧ろ当然の事ならめ、と鹿爪(シカツメ)らしういはれたりしが」
吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉六「白い小倉の袴のゴワゴワするのを御苦労にも鹿爪らしく穿いて居る所は」
[語誌]「しかりつべしい」が「しかつべしい」を経て、「しかつべらしい」に変化し、その後m音とb音の交替で「しかつめらしい」へと変化したものか。あるいは、「しかありつべくあるらし」がもとで、「しかつべうあらし」→「しかつべえらし」→「しかつべらし」→「しかつめらし」と変化したものとも考えられる。その過程語義も「当然そうである」から「もっともらしい」、さらには「まじめくさっている」意へと変化していったと思われる。

か‐の‐つめ【鹿爪】

しかつめらし【鹿爪】

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動植物名よみかた辞典 普及版 「鹿爪」の解説

鹿爪 (カノツメ)

植物。ナデシコ科の一年草,越年草,薬用植物ツメクサ別称

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報