鶴田池(読み)つるたいけ

日本歴史地名大系 「鶴田池」の解説

鶴田池
つるたいけ

[現在地名]堺市草部

草部くさべの南西端にある。信太山しのだやま丘陵に築かれた谷池で、面積六万三千平方メートル余、貯水量一三万立方メートル余といわれる。「行基年譜」が引く「天平十三年記」に「鶴田池 在(大鳥)()部郷」とみえ、行基築造の池としている。また「鶴田池院」の名がみえ、当池の管理運営に当たった寺院ではなかったかと考えられている。なお「古事記」垂仁天皇段にみえる「日下くさか高津たかつ池」は当池の前身とする伝承があるが確証はない。貞和三年(一三四七)七月付大鳥庄上条地頭田代顕綱言上状案(田代文書)によると、大番雑掌祐尊が鶴田池料田を地頭に押領されたため糾返を求める訴えを提出した。それには鶴田池池司職が「松近名主左近将監宗遠相伝」であること、またそのことは仁治三年(一二四二)の後院庁下文に明らかになっていること、さらに鶴田池行基築造以来舎人間で結番してきたことを主張している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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