鬼塚古墳〈大分県国東市〉(読み)おにづかこふん

国指定史跡ガイド の解説

おにづかこふん【鬼塚古墳〈大分県国東市〉】


大分県国東(くにさき)市国見町にある古墳国東半島北端にある竹田津(たけたづ)港を望む標高110mのオノ山の頂部に営まれた西山古墳群11基のうちの1基。線刻画の装飾古墳として、1957年(昭和32)に国の史跡に指定された。東西の径が10m、南北の径が13mの円墳で、6世紀末ごろの築造と推定。斜面の半地下に埋め込まれた横穴式石室を有し、玄室内壁に装飾がほどこされている。奥壁には鳥、船、船上の人物、左壁には多数の鳥の群れ、右壁には向かい合う2羽の鳥がそれぞれ線刻されている。漁をする人物の絵が描かれていることから、被葬者は海に関連が深い権力者ではないかと推定できるが、後世の追刻が多数あり、彫りが浅いこともあって元々の描線を判別するのは困難な状態である。遺物は刀片、鉄鏃(てつぞく)、大刀金具、金環、ガラス玉、須恵器(すえき)の坏(つき)や提瓶(さげべ)などが出土。現在、墳丘は復元され周囲は整備され、出土品は国見ふるさと展示館で展示されている。JR日豊本線宇佐駅から車で約40分。

出典 講談社国指定史跡ガイドについて 情報

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