鬼住村(読み)おにずみむら

日本歴史地名大系 「鬼住村」の解説

鬼住村
おにずみむら

[現在地名]河内長野神が丘かみがおか

三日市みつかいち村・片添かたそえ村の南東にある。山間の三キロに及ぶ細長い村で、三日市村の南から石見いしみ川を東にさかのぼり北に曲がった谷にある葛野くずの石見川の小さな支流の谷にある鬼住・延命寺えんめいじ伏谷ふせたになどの集落に分れる。観心かんしん寺から南西方にあたる。「河内鑑名所記」は「鬼住おにしみ 昔は鬼住けるとておそろしき所有」と記すが、古くは小西見おにしみといったので、「鬼住ける」は後世、鬼の字を用いるようになってからの付会であろう。小西見の表記と訓、前述の集落名葛野などは正平二年(一三四七)一二月日付の僧滝賢田地売券(観心寺文書)端裏書に「ヲニシミ・クスノ・フタツチノケム」「小西見郷字フタツチ」、応長元年(一三一一)五月一二日の田地相論裁許状(同文書)に「小西見郷内字楠野・フタツ(チ)」とみえる。なお承和四年(八三七)三月三日の日付をもつ観心寺縁起実録帳写(同文書)は、応永元年(一三九四)書写であるが、錦部にしごり郡にある観心寺領「山中一千町」の四至に「南限小月見谷」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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