高見峠(読み)たかみとうげ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「高見峠」の意味・わかりやすい解説

高見峠
たかみとうげ

三重・奈良県境をなす高見山地と台高(だいこう)山脈との接点の鞍部(あんぶ)にある峠。三重県松阪市飯高(いいたか)町と奈良県東吉野村の境。標高904メートル。高見山中腹にあたり、伊勢(いせ)湾に注ぐ櫛田(くしだ)川と紀伊水道に注ぐ紀ノ川(吉野川)水系高見川との分水界をなす。かつては伊勢と紀伊を結ぶ紀州(伊勢)街道が通じ、紀伊藩参勤交代や伊勢参宮、吉野高野山詣(こうやさんもう)でなどに利用されたが、街道最大の難所であった。現在は国道166号が通り、1982年(昭和57)には高見トンネル(2470メートル)を通る新道が完成した。

[伊藤達雄]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「高見峠」の意味・わかりやすい解説

高見峠
たかみとうげ

奈良県東吉野村と三重県松阪市の境にある峠。標高 940m。高見山の南側鞍部にあり,吉野川水系と櫛田川水系の分水界をなす。中央構造線上に位置し,かつては伊勢参り紀州藩の参勤交代に使用された吉野と伊勢を結ぶ伊勢街道の難所であった。現在は新峠に高見トンネルが通じ国道 166号線が通る。

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世界大百科事典(旧版)内の高見峠の言及

【高見山地】より

…この付近は,奈良盆地の国中(くんなか)に対して山中とよばれる。櫛田川と吉野川の分水界である高見峠(904m)は,江戸時代から伊勢街道が通る交通の要所であった。この街道は現在も国道166号線として,奈良と三重の両県を結ぶ要路となっている。…

※「高見峠」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」