日本大百科全書(ニッポニカ) 「高浜(市)」の意味・わかりやすい解説
高浜(市)
たかはま
愛知県南西部にある市。衣ヶ浦(ころもがうら)湾に注ぐ境川東岸に位置し、名古屋鉄道三河(みかわ)線、国道247号、419号が通じ、247号の衣浦(きぬうら)大橋で対岸の半田市と結ばれている。1970年(昭和45)市制施行。江戸中期に始まった三州瓦(さんしゅうがわら)生産の中心地で、江戸では三州黒瓦として珍重され、刈谷(かりや)藩外港の高浜湊から積み出された。第二次世界大戦後はトンネル窯の製法が開発され、赤瓦、カラフルな釉薬(ゆうやく)瓦もつくられるようになった。1995年(平成7)やきものの里かわら美術館が開館している。吉浜は大規模養鶏地帯で、育雛(いくすう)の先進地。また人形生産では日本有数で、吉浜細工人形づくりは県の無形文化財に指定されている。細工人形の技術は江戸時代に農民芸術としておこったが、現在、名古屋城はじめ全国菊人形展には欠かせない技術となっている。衣浦臨海工業地域東部地域に含まれ、木材加工、機械製造の工場も多い。面積13.11平方キロメートル、人口4万6106(2020)。
[伊藤郷平]
『『高浜市誌』全9巻(1966~1985・高浜市)』
[補完資料] |