駆付人足(読み)かけつけにんそく

精選版 日本国語大辞典 「駆付人足」の意味・読み・例文・類語

かけつけ‐にんそく【駆付人足】

〘名〙
江戸時代、江戸近郷の村方に課せられた夫役の一種。馬喰町郡代屋敷に出勤して雑務に従うもの。人足に出られない者は夫銀(ぶぎん)(=足留め銭)をもってこれに代えた。
増補田園類説(1842)下「又江戸近在の村方には、馬喰町御役宅へ駈附人足相当る、自身勤めかぬるものは夫銭差出、是を足留め銭と唱へ」
② 江戸の火消し人足の一種。火災発生の際、付近の町から火事場に駆け付けた人足のこと。風上と風脇左右の三方面につき各二町ずつ、合計六町から、一町一五人の割合で割り当てられた。
※禁令考‐後集・第三・巻二八・寛保二年(1742)三月「壱町に拾五人宛之駈付人足遅参故、大火に成候付」
③ 江戸時代、大坂の火消し人足の一種。火災発生の際にだけ出動した。
※幕令‐天明元年(1781)六月「出火消方之儀は、平日三百人手当人足抱置、外に弐百五十人欠付人足仕立置」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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