香山滋(読み)かやましげる

日本大百科全書(ニッポニカ) 「香山滋」の意味・わかりやすい解説

香山滋
かやましげる
(1904―1975)

小説家。本名山田鉀治(こうじ)。東京生まれ。法政大学経済学部を中退大蔵省に勤務。1947年(昭和22)処女作『オラン・ペンデクの復讐(ふくしゅう)』でデビュー。同年『海鰻荘(かいまんそう)奇談』で第1回日本探偵作家クラブ賞(現日本推理作家協会賞)を受けたが、彼の作品は推理小説ではなく、趣味として研究してきた古生物学や地質学の知識を生かした秘境冒険、怪奇幻想小説で、怪獣描写を得意とした。長編には『ソロモンの桃』『火星への道』があり、SF的作品も書いたが、映画化されて著名になったゴジラは彼の原案によるものである。

厚木 淳]

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「香山滋」の解説

香山滋 かやま-しげる

1909-1975 昭和時代後期の小説家。
明治42年7月1日生まれ。大蔵省に勤務。昭和22年第1作「オラン・ペンデクの復讐(ふくしゅう)」を発表。23年「海鰻(かいまん)荘奇談」で第1回日本探偵作家クラブ新人賞。幻想・怪奇ものをかく。映画「ゴジラ」の原作で知られる。昭和50年2月7日死去。65歳。東京出身。法大中退。本名は山田鉀治(こうじ)。作品はほかに「ソロモンの桃」「蜥蜴(とかげ)の島」など。

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