飛上(読み)とびあがる

精選版 日本国語大辞典 「飛上」の意味・読み・例文・類語

とび‐あが・る【飛上】

〘自ラ五(四)〙
① とんで上にあがる。勢いよくはねあがる。
書紀(720)欽明五年一二月(北野本訓)「二の人(ひと)化成(な)る火(ひ)の上(うへ)に飛騰(トヒアカル)こと一尺(ひとさか)余許(あまり)
② とんで空へあがる。空へ舞いあがる。
万葉(8C後)一七・三九〇六「御園生(みそのふ)の百木の梅の散る花し天に登妣安我里(トビアガリ)雪と降りけむ」
③ 特に、ひじょうに驚いたり、喜んだりしたときなどに、思わずとびはねる。
真景累ケ淵(1869頃)〈三遊亭円朝〉一二「店の障子をがらりと明けて、飛上ったから」
④ とっぴな言動をする。調子にのってさわぐ。
洒落本・北川蜆殻(1826)序「陽気に飛上(トビアガ)る蚤の小男も」
順序をふまないでのぼる。また、値段が急激にあがる。
唐人お吉(1928)〈十一谷義三郎〉三「江戸下谷の武具店で、一遍に高値に飛びあがったのを買って来て」

とび‐あがり【飛上】

〘名〙
① とびあがること。
② とっぴな言動をすること。また、その人。ひょうきんもの。むこうみず。はねあがり。
※玉塵抄(1563)一「楚の国の者は水や土によるか人の心がとびあかりにけなげにすすどいぞ」
滑稽本浮世風呂(1809‐13)三「かんばんにいつはりなしの浮虚(うはき)にて、ヲットきなさいのとびあがりなるべし」
③ 低い地位から一足とびに出世すること。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

普及版 字通 「飛上」の読み・字形・画数・意味

【飛上】ひじよう

飛昇。

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