須磨源氏(読み)スマゲンジ

デジタル大辞泉 「須磨源氏」の意味・読み・例文・類語

すまげんじ【須磨源氏】

謡曲五番目物金春こんぱる以外の各流。世阿弥作といわれる。日向ひゅうが国の神官須磨の浦に来かかると光源氏の霊が現れ、その生涯を語って舞をまう。

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精選版 日本国語大辞典 「須磨源氏」の意味・読み・例文・類語

すまげんじ【須磨源氏】

[1] 謡曲。五番目物。観世宝生金剛喜多流。世阿彌作。古名「光源氏」。日向国宮崎神宮の神主藤原興範(おきのり)伊勢参宮の途中須磨の浦に立ち寄ると、光源氏の霊が年老いた木こりの姿で現われ、その生涯を語って消える。その夜、興範の夢の中に光源氏として現われて早舞を舞う。「源氏物語」による。
[2] 〘名〙 (源氏物語が長編であるため、須磨の巻あたりでやめてしまう人が多いところから) 源氏物語を読むのを途中まででやめてしまう人をあざけっていう語。
合巻偐紫田舎源氏(1829‐42)九「ふるき常言(ことわざ)三月庭訓(ていきん)須磨源氏、明石の巻までたち消えのせぬやうに」

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