霊山浄土(読み)りょうぜんじょうど

精選版 日本国語大辞典 「霊山浄土」の意味・読み・例文・類語

りょうぜん‐じょうど リャウゼンジャウド【霊山浄土】

〘名〙 仏語霊山霊鷲山(りょうじゅせん))という釈迦浄土法華経が説かれた場所を、釈迦如来が常に実在して法を説く浄土とみなしたもの。霊鷲宝土(りょうじゅほうど)
※高野本平家(13C前)五「かの妙音菩薩は霊山浄土(リャウゼンジャウト)に詣して」

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百科事典マイペディア 「霊山浄土」の意味・わかりやすい解説

霊山浄土【りょうぜんじょうど】

仏教浄土一つ。霊山は釈迦がしばしば説法を行ったとされる霊鷲山(りょうじゅせん)の略。したがって,霊鷲山こそ浄土だとする信仰を生んだ。ことに《法華経》は霊鷲山で説かれたので,釈迦の浄土とされ,日蓮宗系の中心的浄土となった。

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世界大百科事典(旧版)内の霊山浄土の言及

【娑婆】より

…しかし,一方,悟りの立場から見ればこの迷いの世界はそのまま仏の悟りの世界にほかならないとして,禅宗では〈娑婆即寂光土(しやばそくじやくこうど)〉といい,迷界のほかに仏界なしと主張した。また《法華経》には,釈迦仏はこの世の霊鷲山(りようじゆせん)上において《法華経》を説いたとしているので,その説法の場所を〈霊山浄土(りようぜんじようど)〉と呼ぶこともある。この浄土は娑婆世界の中に存在するわけであるから,娑婆は釈迦仏の仏国土(ぶつこくど)とも解しうる。…

【浄土】より

…これら諸仏の浄土は,現実の世界から遠く離れた方角に存在するので,他方浄土とか十方浄土とか呼ばれる。 中国で浄土思想が流布し展開するとともに,本来は浄土思想と何らの関わりもなかった《法華経》に基づいて,霊山浄土という新しい浄土が出現した。霊山つまり霊鷲山(りようじゆせん)とは王舎城の近くにある山の名で,《法華経》が説かれたといわれる場所なのである。…

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