雑返(読み)まぜっかえす

精選版 日本国語大辞典 「雑返」の意味・読み・例文・類語

まぜっ‐かえ・す ‥かへす【雑返】

〘他サ五(四)〙
三畳四畳半(1909)〈高浜虚子〉五「糠味噌を貸すのはいいけれど折角チャン順序を立てて置くのを時々交(マゼ)っかへされるのには閉口するよ」
あさくさ子供(1939)〈長谷健〉五「星子さんたら遊ぶ時はいつもまぜっかへして困るわ」
※歌舞伎・浮世柄比翼稲妻(鞘当)(1823)序幕「それといふのも、あの八内めが、まぜっ返した故の事」

まぜ‐かえ・す ‥かへす【雑返】

〘他サ五(四)〙
① いくどもかきまぜる。ごちゃまぜにする。まぜっかえす。まぜくり返す。
※学談雑録(1716頃)「異端、気ばかり云てつかゆる所あるゆへに、色々とまぜかへして、空と云字で蓋たものなり」
② 混乱させる。大騒ぎをさせる。まぜっかえす。
※浄瑠璃・夏祭浪花鑑(1745)五「上を下へまぜかへし」
③ からかいなどの差出口をして人の話を混乱させる。ちゃかしたり揚足をとったりする。まぜっかえす。
かくれんぼ(1891)〈斎藤緑雨〉「同伴の男が頓着なく混交(マゼカヘ)す程猶逡巡(しりご)みしたがるが」

まぜくり‐かえ・す ‥かへす【雑返】

〘他サ四〙 =まぜかえす(雑返)
虞美人草(1907)〈夏目漱石〉一〇「謎の女は近づく人を鍋の中へ入れて、方寸杉箸に交(マ)ぜ繰(ク)り返(カヘ)す」

まぜ‐かえし ‥かへし【雑返】

〘名〙 人の話に揶揄(やゆ)などの差出口をして混乱させること。また、そのような差出口。まぜっかえし。
落語・たがや(1897)〈四代目橘家円蔵〉「当人は色男然とするが、『山男…』と云って混合(マゼ)かへしを入れたりするのが」

まぜっ‐かえし ‥かへし【雑返】

〘名〙 「まぜかえし(雑返)」の変化した語。
※歌舞伎・三人吉三廓初買(1860)四幕「飛んだ交返(マゼッケエ)しで暇がいった」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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