雌・女・牝・妻(読み)め

精選版 日本国語大辞典 「雌・女・牝・妻」の意味・読み・例文・類語

め【雌・女・牝・妻】

[1] 〘名〙
① 女。女性。めす。⇔お。
古事記(712)上・歌謡若草の 妻持たせらめ 我はもよ(メ)にしあれば 汝を置(き)て 男(を)は無し」
② 配偶者、または愛人としての女性。妻。
万葉(8C後)一八・四一〇六「大汝 少彦名の 神代より 言ひ継ぎけらく 父母を 見れば尊く 妻(め)子見れば 愛しくめぐし うつせみの 世の理と」
※伊勢物語(10C前)一六「年頃あひ馴れたるめ、やうやう床離れて、遂に尼になりて姉の先だちてなりたる所へ行くを」
[2] 〘語素〙
① めす、または女性であることを表わす。「め鳥」「め神」「め奴」など。
② 妻、または妻の側であることを表わす。「め方」「めとる」「めのと」など。
③ 比較して、小さいこと、弱いことなどを表わす。「め滝」「め波」「め瓦」など。
④ 陽に対して陰であることを表わす。「め時」など。
[補注]古くは女性一般を意味していたが、平安時代以降、「をんな」と次第に交替し、「め」は待遇度が低下して、女性の蔑称として用いられることになった。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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