雁峯山(読み)かんぼうざん

日本歴史地名大系 「雁峯山」の解説

雁峯山
かんぼうざん

標高七八九・二メートルの本宮ほんぐう山より東北東に約一〇キロにわたって延びる山嶺で、標高六〇〇メートル前後の山が連なっている。新城市と南設楽みなみしたら作手つくで村との境をなし、東南の新城市側は急斜面をなし、作手村側は緩斜面で比高は少ない。新城市側からは屏風をめぐらしたように屹立し、長篠ながしのの戦で鳥居強右衛門勝商が長篠城を脱出して成功の合図の狼煙をあげたのもこの山系である。

新城市域農村の薪炭、牛馬の飼料、肥料用の草などの重要な採集地であった。開拓が進むと採草地が減少し、山麓から離れた村々も山に入るようになり、入会山となったが、山に近く早くから山を利用していた村を山元と称し、入方または入村から山礼・山手を受取っていた。延宝九年(一六八一)の山礼定之覚(出沢区有)では、山元の出沢すざわ村は、その裏山に入会っていた清井田きよいだ下々しもそう柳田やなぎだ竹広たけひろ浅木あさぎの五ヵ村から受取る米・鰍などの量を定めている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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