陸でなし・碌でなし(読み)ろくでなし

精選版 日本国語大辞典 「陸でなし・碌でなし」の意味・読み・例文・類語

ろく‐で‐なし【陸でなし・碌でなし】

〘名〙 (「碌」はあて字) 人がまともでないこと。また、その人。役に立たないのらくらもの。道楽者
物類称呼(1775)五「又ろくといふは直(ちょく)の字に当るか。物を直(すなほ)に置事をろくに置といひ、直(ちょく)ならぬ人を、ろくでなし、と云」
人情本・春色辰巳園(1833‐35)四「コレあのろくでなしどのから、手めへの小遣へぐらゐはよこしもしたろうが」
[語誌]建築用語の「陸墨」「陸屋根」などの「陸」(水平・直の意)から、「ろく(陸)①」のような平らなさまの意味で用いられ、同時に「ろく(陸)⑤」のような下に否定の語を伴った用法からさらに「酒を呑(のむ)者はろくでない」〔滑稽本浮世風呂‐四〕(一八〇九‐一三)を経て「ろくでなし」という名詞形が成立した。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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