陰・翳(読み)かげり

精選版 日本国語大辞典 「陰・翳」の意味・読み・例文・類語

かげり【陰・翳】

〘名〙 (動詞「かげる(陰)」の連用形名詞化)
① 日月の光が雲などによって少し暗くなる様子。また、空や鏡などに生ずるくもり
※中華若木詩抄(1520頃)下「花がよはき間〈略〉春の陰りを借て、海棠を、守護せんと思ぞ」
② (比喩的に) 暗く、好ましくない様相印象などをいう。
※夜長姫と耳男(1952)〈坂口安吾〉「何かを企む翳(カゲ)りもない」

かげら・す【陰・翳】

〘他サ五(四)〙 陰になるようにする。暗くする。また、比喩的に、顔色気持などをくもらせる。
※竹沢先生と云ふ人(1924‐25)〈長与善郎〉竹沢先生の散歩「その座敷は〈略〉楠の大木のために午後には案外早く日を蔭らされるのだった」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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