阿井郷(読み)あいごう

日本歴史地名大系 「阿井郷」の解説

阿井郷
あいごう

阿井川流域の現上阿井・下阿井に比定される。「和名抄」に記載される仁多郡阿位あい郷の郷名を継承する中世の郷。建長元年(一二四九)六月日の杵築大社造営所注進状(北島家文書)の遷宮儀式の流鏑馬一五番のうち第一〇番に「三処郷、合阿井郷、石坂郷」とあり、文永八年(一二七一)一一月日の杵築大社三月会相撲舞頭役結番帳の第一二番の相撲の項に「阿井郷十一丁法華堂別当僧都」とある。正平六年(一三五一)七月二五日南朝方の富田秀貞は当郷を勅裁にまかせて鰐淵がくえん寺に祈祷料所として寄進している(「富田秀貞寄進状」鰐淵寺文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報