勅裁(読み)ちょくさい

精選版 日本国語大辞典 「勅裁」の意味・読み・例文・類語

ちょく‐さい【勅裁】

〘名〙
天子もしくは、治天の君などが直接に裁決すること。勅断
大徳寺文書‐元徳三年(1331)七月二日・花園上皇院宣案「信濃国伴野庄事、土民等不用勅裁云々。太不然」
旧憲法もとで、天皇が他の機関参与をまたず、直接に裁決したこと。勅命の裁決。親裁
皇室典範(明治二二年)(1889)四九条「皇族相互の民事訴訟は〈略〉勅裁を経て之を執行す」

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デジタル大辞泉 「勅裁」の意味・読み・例文・類語

ちょく‐さい【勅裁】

天子による裁決。勅断。
明治憲法下で、天皇が他の機関の参与を待たず、直接に裁決したこと。勅命の裁決。

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普及版 字通 「勅裁」の読み・字形・画数・意味

【勅裁】ちよくさい

親裁。

字通「勅」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の勅裁の言及

【ローマ法】より

… 古典期の法形成は,また元首の発する勅法によっても行われた。すなわち,元首は政務官権限保持者として共和政におけると同じく一般的事項につき告示を発したほか,訓令(元首の官吏に対する内務的指示の形をとるが,一般的効力を持ち私人も引用しうる),勅答(官吏・私人より元首に提出された具体的法問題に対する解答で,当該事件のみならず将来にも拘束力を有する),勅裁(元首の面前での審理ののち発せられる裁判の判決)などにより皇帝による法形成が行われた。とくに,裁判における職権審理手続の導入と関連して,従来の市民法,名誉法とは異なる法的保護を開き(厳格な遺贈の形式をふむ必要のない信託遺贈はその代表例),法学や元老院議決によってさらにそれらが展開された。…

※「勅裁」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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