関丸神社(読み)せきせみまるじんじや

日本歴史地名大系 「関丸神社」の解説

丸神社
せきせみまるじんじや

[現在地名]大津市逢坂一丁目

旧東海道の逢坂おうさか峠の登り口(大津側)に面して二つの関蝉丸神社がある。一つは逢坂峠近くの旧片原かたはら(現逢坂一丁目)の高い石段の上にある関蝉丸神社上社(旧称関大明神蝉丸宮)と、そこから三〇〇メートル下方の旧清水しみず(現逢坂一丁目)に鎮座する関蝉丸神社下社(旧称関清水大明神蝉丸宮)である。また逢坂峠筋の西側には万治三年(一六六〇)に関蝉丸社を勧請した蝉丸神社(現大津市大谷町)もあり、逢坂峠付近に蝉丸の名称をもつ社が三社鎮座している。関蝉丸神社は旧郷社、現祭神は猿田彦さるたびこ大神豊玉とよたま姫・蝉丸。創設年代は不詳であるが、蝉丸大明神縁起(当社蔵)によれば、弘仁一三年(八二二)小野朝臣峯守が逢坂山の坂の守護神として山上・山下二社に創祀したという。「万葉集」巻一三に「宇治の渡の 滝つ瀬を 見つつ渡りて 近江道の 相坂山に 手向して 我が越え行けば 楽浪の 志賀唐崎」とあることから、逢坂山の手向の神、いわゆる道祖神として祀られたことが知られ、創建はさらにさかのぼると考えられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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