鉄鋼化学コンビナート(読み)てっこうかがくコンビナート

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「鉄鋼化学コンビナート」の意味・わかりやすい解説

鉄鋼化学コンビナート
てっこうかがくコンビナート

鉄鋼業と化学工業とが共通の利害関係を通じて結びつき,構成されるコンビナート。鉄鋼業においては高炉操業に必要なコークスを得るため石炭乾留するが,このとき副産物として大量のコークス炉ガスが発生する。これは化学工業の原料としてきわめて利用価値が高く,アンモニアを合成して硫安が製造できるほか,ベンゾール,コールタールなどの基礎化学品が得られる。高炉メーカーと化学メーカーとの間には,資源の総合的な有効利用,生産コストの低減といったメリットがある。臨海工業地帯を中心とした,この種のコンビナートは,岡山県の水島,茨城県の鹿島,大分県の鶴崎などの各地区にみられる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報