鈴鹿大明神(読み)すずかだいみようじん

日本歴史地名大系 「鈴鹿大明神」の解説

鈴鹿大明神
すずかだいみようじん

[現在地名]多久市西多久町板屋字鈴鹿

八幡はちまん岳の南麓、たに集落の中央部後背地にある。この付近には玄武岩の岩塊が露頭して奇景をなし、その一角にこの社が構築されている。

もと女山おんなやま村で祭祀されていたが、現在はその一集落であった谷が単独で祀り、正善しようぜん(曹洞宗)が管理している。「丹邱邑誌」に「鈴鹿大明神神体大比古命相殿不詳 女山村鈴鹿山ニ在リ、南面上宮山頂石祠神鏡一面アリ、下宮山麓巌間ニ小石祠アリ」と記されている。現在の下宮の小石祠には「寛文九年」(右扉)、「願主多久団左衛門尉藤原文明」(左扉)の陰刻があり、社殿鰐口には「鈴鹿大明神御宝前貞享三丙寅年十二月吉日願主多久孫三郎藤原文明」の銘文があって、女山多久家の尊崇が厚かったことを示している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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