金魚売り(読み)キンギョウリ

デジタル大辞泉 「金魚売り」の意味・読み・例文・類語

きんぎょ‐うり【金魚売り】

金魚を売り歩くこと。また、その人。 夏》踏切一滴ぬらす―/不死男

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「金魚売り」の意味・わかりやすい解説

金魚売り
きんぎょうり

金魚を商う店または人。金魚の渡来室町時代の1502年(文亀2)といわれる。初めのころは特殊な愛好家に珍重されていただけであったが、元禄(げんろく)(1688~1704)ごろ京坂から江戸に移入され、享保(きょうほう)(1716~36)ごろには一般に広まり、露店も出るようになった。さらに明和(めいわ)(1764~72)ごろには浅草近辺に金魚の専門店も数多くでき、行商も行われるようになって、その売り声は夏の風物詩として近年まで伝えられた。また縁日夜店にも欠かせないものとして彩りを添えている。明和年間には珍種の輸入や交配が盛んに行われて新種が多く生まれ、現在、奈良県大和郡山(やまとこおりやま)市、愛知県弥富(やとみ)地方、東京都江戸川区などでおもに養殖されている。

[佐藤農人]

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