秋元不死男(読み)アキモトフジオ

デジタル大辞泉 「秋元不死男」の意味・読み・例文・類語

あきもと‐ふじお〔‐フジを〕【秋元不死男】

[1901~1977]俳人神奈川の生まれ。本名、不二雄。「氷海」を創刊主宰俳句「もの」説で反響を呼んだ。句集」「」など。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「秋元不死男」の意味・わかりやすい解説

秋元不死男
あきもとふじお
(1901―1977)

俳人。横浜に生まれる。本名不二雄(ふじお)。旧号地平線、東京三(ひがしきょうぞう)。13歳で父に死別、高等小学校卒業後、横浜火災海上保険会社に入社、俳句を知る。島田青峰(せいほう)の弟、的甫(てきほ)に勧められ『土上(どじょう)』に入り、1932年(昭和7)『土上』同人。1941年2月5日、俳句弾圧事件に連座、検挙される。後年の句集『瘤(こぶ)』には獄中の句を所収。第二次世界大戦後『天狼(てんろう)』に参加、『氷海』を創刊、主宰する。1954年(昭和29)、俳句は「もの」のもつ象徴力を生かす最短詩であるとする、俳句「もの」説を唱え反響をよんだ。1968年蛇笏(だこつ)賞受賞。句集に『街』(1940)、『瘤』(1950)、『万座』(1967)、『甘露集』(1977)のほか、『俳句入門』(1955)の著がある。劇作家秋元松代は実妹。

楠本憲吉

 寒(さむ)や母(はは)地にアセチレン風に欷(な)き

『『秋元不死男全集』全2巻(1980・角川書店)』

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「秋元不死男」の解説

秋元不死男 あきもと-ふじお

1901-1977 昭和時代の俳人。
明治34年11月3日生まれ。秋元松代の兄。昭和15年西東三鬼らと「天香」を創刊。翌年,新興俳句弾圧事件で投獄される。のち獄中句集「瘤(こぶ)」を刊行。24年「氷海」を創刊,主宰。43年「万座」ほかで蛇笏(だこつ)賞。昭和52年7月25日死去。75歳。神奈川県出身。本名は不二雄。別号に東(ひがし)京三,地平線。

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