金砂郷村(読み)かなさごうむら

日本歴史地名大系 「金砂郷村」の解説

金砂郷村
かなさごうむら

面積:六三・一四平方キロ

久慈郡の南部に位置し、北から東南に水府すいふ村・常陸太田市・那珂郡那珂町、北から西南に那珂郡山方やまがた町・大宮町・瓜連うりづら町に接する。久慈川の支流山田川下流域とあさ川流域に開けた東西六・一キロ、南北一九キロの細長い村。久慈山地の南端部が山田川を挟んで東の東金砂ひがしかなさ山地と西の男体なんたい山地を形成、丘陵状をなして並ぶ。北部では男体山地内の緩斜面、浅川の河岸段丘や谷底に集落や耕地が発達し、南部では両山地の麓や洪積台地上に集落が形成され、久慈川・山田川流域の沖積平野肥沃な水田地帯が広がる。しかし両河川が氾濫して災害を起こしたり、流路や地形の変化をもたらすことも多かった。

浅川の中・上流域一帯は近世以降蒟蒻玉や煙草の産地として知られ、南部は慶安二年(一六四九)たつくち江堰(辰ノ口用水路)の開通で水田耕作が安定し、有数の穀倉地帯となっている。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報