金沢製糸場跡(読み)かなざわせいしじようあと

日本歴史地名大系 「金沢製糸場跡」の解説

金沢製糸場跡
かなざわせいしじようあと

[現在地名]金沢市長町一丁目

村井家屋敷跡北部に建てられた器械製糸会社跡。富岡とみおか製糸所(現群馬県富岡市)に倣って動力を利用した県内初の工場で、明治七年(一八七四)の創業。面積五千四三五坪余(皇国地誌)。もと加賀藩士長谷川準也と弟大塚志良の計画によるいわゆる士族授産会社の一つ。資本金一万円と県の奨励金五〇〇円で操業を開始し、同一一年には内務省から二万円の授産金を与えられた。創業当時の製糸機は一〇〇台、おもに士族の妻女を採用して女工二〇〇人余、同一〇年度の年産は精糸・粗糸合せて五千斤で、同九年にはすでに輸出を始めていた(「倉庫精練史」など)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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