ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「野村万蔵(6世)」の意味・わかりやすい解説
野村万蔵(6世)
のむらまんぞう[ろくせい]
[没]1978.5.6. 東京
和泉流の狂言師。加賀藩の町方狂言師であった野村万蔵家の6世。明治維新後に上京し和泉流の復興に努めた。5世野村万造 (野村萬斎 ) の長男。前名は万作。 24歳で6世万造を襲名,1940年万蔵と改名。洒脱で,歯切れのよい近代的な芸風で,太郎冠者狂言を最も得意とした。文部大臣賞,芸術祭大賞,日本芸術院賞などを受け,1967年重要無形文化財保持者 (人間国宝) ,1974年日本芸術院会員。野村狂言の会を主宰した。また幼時から面打師の下村清時につき,能面づくりにおいても優れた才能を示した。著書に『狂言の道』 (1955) ,『狂言面』 (1956) がある。
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