伊方(読み)いかた

精選版 日本国語大辞典 「伊方」の意味・読み・例文・類語

いかた【伊方】

愛媛県西部、西宇和郡にある町。平家落人伝説がある。また、江戸時代から杜氏(とうじ)出稼ぎ有名

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デジタル大辞泉 「伊方」の意味・読み・例文・類語

いかた【伊方】

愛媛県西部、西宇和郡の地名佐田岬半島を占める。伊方杜氏とうじ出身地伊方原子力発電所がある。

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改訂新版 世界大百科事典 「伊方」の意味・わかりやすい解説

伊方[町] (いかた)

愛媛県西部,佐田岬半島にある西宇和郡の町。2005年4月旧伊方町,瀬戸(せと)町,三崎(みさき)町が合体して成立した。人口1万0882(2010)。

伊方町東端の旧町。西宇和郡所属。人口6569(2000)。佐田岬半島の基部に位置し,北は伊予灘,南は宇和海に面する。町域の大部分山地が占め,宇和海上にある無人島の黒島,烏島を含む。古来伊方杜氏の本場で,最盛期には数百人が南予土佐,九州方面に出かけた。農漁業が基幹産業で,傾斜地ではかんきつ類の栽培,養豚などが行われる。1977年に九町越に建設された原子力発電所が運転を開始した。黒島,烏島,女子岬,堂々山,荒茅は佐田岬半島宇和海県立自然公園に指定されている。宇和海沿いに国道197号線が通じる。

伊方町中央の旧町。西宇和郡所属。人口2813(2000)。佐田岬半島中央部にあって,北は伊予灘,南は断層海岸で宇和海に面し,東西に細長い町域の大部分を山地が占める。伊予灘に面した三机(みつくえ)が中心集落で,三机港は帆船時代に良港として栄え,幕末には長州征伐の一拠点となった。かつては三崎牛飼育の本場で,町域西部の大久(おおく)などで子牛の定期市が開かれたが,現在は衰微した。代わってかんきつ類の栽培を主とする農業や,沿岸漁業が基幹産業となっている。台風常襲地帯で,防風石垣や石置屋根の家が多い。三机港の西岸に突出した砂州上には須賀公園があり,海水浴場,キャンプ地としてにぎわう。国道197号線が宇和海沿いに通じる。

伊方町西端の旧町。西宇和郡所属。人口4154(2000)。佐田岬半島の先端部を占め,北は伊予灘,南は宇和海に面し,西は豊予海峡を隔てて大分県佐賀関町に対する。伊予灘側の二名津(ふたなづ),宇和海側の佐田は,近世には避難港,中継港であり,佐田には舟番所が置かれた。伽藍(がらん)山(414m)を中心とする山地が東西に延び,甘夏,サンフルーツなどかんきつ類の栽培が盛ん。岬先端近くの串,正野(しようの)などでは海士の素もぐりによるテングサ,アワビ,サザエ採取が行われる。宇和海側の海食崖上にある名取は,伊達秀宗が宇和島藩主として入部の際,同行した仙台藩名取郷の者が入植して地名としたという。馬の飼育が盛んで,三崎馬,三崎牛の産地であった。中心集落の三崎まで国道197号線が通じ,三崎港から佐賀関まで国道フェリーが運航される。岬突端には灯台があり,瀬戸内海国立公園に含まれる。三崎のアコウ(天)はアコウ樹の分布北限とされる。
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