重か(読み)おもらか

精選版 日本国語大辞典 「重か」の意味・読み・例文・類語

おもら‐か【重か】

〘形動〙 (「おもりか」の変化した語)
目方のあるように感じられるさま。重そうなさま。
※尾張家本増鏡(1368‐76頃)一「小さき唐櫃の金物したるが、いと重らかなるを」
態度などがどっしりと落ち着いているさま。貫祿があるさま。
※宇治拾遺(1221頃)一「いただきはげたる大童子の、まみしぐれて、ものむつかしう、おもらかにも見えぬが」
[語誌](1)ラ行四段動詞「おもる(重)」が形容動詞化する際には「おもりか」になる。「おもらか」は中世以降に見られ、この「おもりか」の母音交替によって生じたものと考えられる。
(2)形容詞「おもし(重)」の語幹に「らか」が付いたものとする説もある。中世では「おほきらか」「みじからか」など中古で「やか」の形であったものが「らか」の形になる語があり、これもその一例と考えるもの。

おもり‐か【重か】

〘形動〙 (「か」は接尾語)
重量の感じられるさま。おもそうなさま。おもらか。⇔かろらか
源氏(1001‐14頃)末摘花「つつみに、衣箱(ころもばこ)のおもりかに古代なる、うち置きて、おし出でたり」
② 態度などがどっしりと落ち着いているさま。おもらか。
※源氏(1001‐14頃)葵「なほあたらをもりかにおはする人の」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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