酸化タンタル(読み)サンカタンタル

化学辞典 第2版 「酸化タンタル」の解説

酸化タンタル
サンカタンタル
tantalum oxide

酸化タンタル(Ⅳ)(二酸化タンタル)TaO2,酸化タンタル(Ⅴ)(五酸化二タンタル)Ta2O5が知られているが,もっとも安定で普通に存在するものはTa2O5(441.89)である.Ta2O5は天然にタンタル石として産出する.タンタル酸を加熱脱水するか,金属タンタルを酸素気流中で強熱すると得られる.無色の斜方晶系結晶.密度8.74 g cm-3.1470 ℃ で分解する.冷水熱水に不溶,フッ化水素酸に可溶,ほかの酸に不溶.炭酸アルカリ,水酸化アルカリと共融すればタンタル酸塩を生じる.金属タンタルやタンタル化合物をつくる出発物質として用いられる.そのほか,反射防止膜,複合酸化物触媒,薄膜はタンタルコンデンサーに用いられる.[CAS 1314-61-0:Ta2O5]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報