造田庄(読み)ぞうだのしよう

日本歴史地名大系 「造田庄」の解説

造田庄
ぞうだのしよう

和名抄寒川さんがわ造太ぞうた郷の郷名を継ぐ。江戸初期の造田村を遺称地とし、現在の長尾町北部一帯に比定される。成立年代は不明。造太とも記された。建武四年(一三三七)八月一一日の讃岐守護細川顕氏書下(西野嘉右衛門氏所蔵文書)に庄名がみえ、佐竹侍従房行慶・庄十郎四郎資方・豊島三郎五郎重経らが当庄是弘これひろ名についての造田新大夫長守の領家年貢抑留を守護顕氏に訴え出、その命により催促したのにもかかわらず造田氏が従わないため、再度の訴えがなされ、顕氏は桑原・周敷の両氏を守護使節として年貢納入を催促するよう命じている。康永三年(一三四四)八月七日の足利直義下知状(善通寺文書)は「二位家法華堂領讃岐国造田庄」雑掌の領家職に関する武士の侵害についての訴えを裁定したものであるが、雑掌の主張によれば、当庄は暦応三年(一三四〇)三月二二日の足利尊氏の文書により随心ずいしん(現京都市山科区)門跡が管領することを認められたという。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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