追付・追着(読み)おいつく

精選版 日本国語大辞典 「追付・追着」の意味・読み・例文・類語

おい‐つ・く おひ‥【追付・追着】

[1] 〘自カ五(四)〙
① 先に進んでいる者に、後から追いかけて達する。追いしく。追っつく。
伊勢物語(10C前)二四「女いとかなしくて、しりにたちて追ひゆけど、えをいつかで」
② 力や能力、技術などが、目標となるものに達する。先行しているものと同じ水準に達する。追っつく。
ソヴェトの旅(1964)〈小林秀雄〉「フルシチョフ氏は、後七年たてば、アメリカに追ひつくと言ってゐる」
③ (多く打消、または疑問表現を伴って) 損失や不利益などが解消される。埋め合わせがつく。取り返しがつく。間に合う。追っつく。
太政官(1915)〈上司小剣〉四「相続税はごつおまっさかい、米や松茸売った金では追ひ付きまへんもんなア」
[2] 〘他カ下二〙
① 追いかけて行って、ある場所に至らせる。
※宇治拾遺(1221頃)一五「大友皇子を追ひ給ふに、近江の国大津といふ所に、をひつけてたたかふに」
② 何かをしたあと間をおかずに続けて事を行なう。追いかける。
地蔵菩薩霊験記(16C後)五「障子を引て入らむとするを、夫、〈略〉さしも心あさかりし事を思ひ出して、追(ヲイ)付けて云やう」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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