朝日日本歴史人物事典 「近藤陸三郎」の解説
近藤陸三郎
生年:安政4.1.19(1857.2.13)
明治大正期の実業家。北海道箱館生まれ。明治13(1880)年工部大学校(東大工学部)鉱山科を卒業。工部省に入り,阿仁鉱山分局に勤務。同鉱山の古河市兵衛への払い下げにともない,古河に移籍する。21年から1年余にわたり,技術者の立場から欧米の鉱業事情を視察し,30年足尾銅山鉱業所長に就任。当時,社会問題となった渡良瀬川流域の足尾銅山鉱毒問題に対処するため,政府の命令による鉱毒予防工事実施に取り組み,日夜奮闘して予定期日までに難工事をなしとげた。大正2(1913)年古河合名会社理事長に就任,4年工学博士。
(中村青志)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報