車輪製造(読み)しゃりんせいぞう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「車輪製造」の意味・わかりやすい解説

車輪製造
しゃりんせいぞう

鉄道車両や自動車などの車輪製法をいい、特殊な圧延技術を要する。一般に使用されている鋼板(円板)および鋼線車輪を例にとる。広く使用される鋼板車輪は鋼板をプレスにより成形したものである。競走車、スポーツカーに使用される鋼線車輪はワイヤスポークと称し、鋼板製のリムハブを用いスポークに鋼線を用いたものである。最近、軽合金ダイカストのものが競走車だけでなく一般車にも使用されている。鋼線車輪は車輪のハブ内面に刻み目を切り、車軸部の刻み目にかみ合わせ、外部から袋ナットにより締め付ける。ハブは可鍛鋳鉄あるいは鍛造でつくられ、ハブボルトにより車輪を取り付ける。円板はプレスし、絞り、曲面にしてある程度の弾性をもたす。リムの形状寸法はタイヤにより決定されるが、多くは鋼板を絞るかロールで成形したものである。タイヤは特殊の車両を除きすべて空気入りタイヤを用いる。

[志村宗昭]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例