蹴る(読み)ケル

デジタル大辞泉 「蹴る」の意味・読み・例文・類語

け・る【蹴る】

[動ラ五(四)]
足で勢いよく突く。また、足にはずみをつけるようにして突いて飛ばす。「馬に―・られる」「ボールを―・る」
足で地面などを強く押す。「床を―・って高くジャンプする」「水を―・って泳ぐ」
(「席をける」の形で)怒って荒々しくその場を立ち去る。「裁定を不満とし、席を―・って退場する」
要求提案などを受け入れないで、きっぱり断る。はねつける。拒絶する。「組合の要求を―・る」「与えられた役を―・る」
[補説]下一段の「ける」が江戸時代後半から四段に活用するようになったもの。しかし、現代語でも「け散らす」「け飛ばす」などの複合語には下一段活用が残存しており、命令形も「けれ」のほか「けろ」も用いられる。
[可能]けれる
[類語](1蹴飛けとばす蹴上けあげる蹴り上げる足蹴あしげにするキックする蹴っ飛ばす蹴破る蹴倒す蹴散らす蹴散らかす・一蹴り/(4はねつけるつっぱねる一蹴いっしゅうする峻拒しゅんきょする拒絶する断る拒否する不承知難色

ける【蹴る】

[動カ下一]五(四)段活用「け(蹴)る」に同じ。
「その男が尻鼻、血ゆばかり必ず給へ」〈宇治拾遺・二〉
[補説]本来は、ワ行下二段の「くう」か。またはクヮ行下一段の「くる」とする考えもある。最初語形が「ける」「くる」「くゆ」「こゆ」のようにいろいろで揺れていたが、しだいにカ行下一段活用として活用形が整備されてくる。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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