跣足修道会(読み)せんそくしゅうどうかい

日本大百科全書(ニッポニカ) 「跣足修道会」の意味・わかりやすい解説

跣足修道会
せんそくしゅうどうかい

ローマ・カトリック教会修道会うち使徒の生活に倣い(「マタイ伝福音(ふくいん)書」10章)、また清貧実践修行のために靴を履かない修道会をいう。文字どおりはだしの場合もあるが、現在ではサンダルを履くことが多い。アッシジフランチェスコが初めてこの規則を取り入れ、以来フランシスコ会原始会則派の諸会や、シトー会フィヤン派、跣足カルメル会、アウグスティヌス隠修士会の一部などがこの規則を採用している。

[鶴岡賀雄]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の跣足修道会の言及

【履物】より

…これらは一般に,履物を世俗のものとみて,聖所ではそれを着けることを避けるとともに,より積極的にははだしが神の前での卑下と服従を示すものと考えられたからであろう。キリスト教には,フランシスコ会,改革カルメル会などはだしを旨とする修道会があって跣足(せんそく)修道会と称されるが,清貧のモットーということ以外に上記のような意味を認めることができる。一方,聖所に入ったり神事を執り行う際,特定の履物をはく風習も知られており,神官は,ギリシアやシリアでは犠牲獣の皮で,エジプトではパピルスやヤシの葉で作った履物を用いたという。…

※「跣足修道会」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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