足元・足許・足下(読み)あしもと

精選版 日本国語大辞典 「足元・足許・足下」の意味・読み・例文・類語

あし‐もと【足元・足許・足下】

〘名〙
① 立っている、または歩いている足のあたり。
古今(905‐914)仮名序「遠き所も出でたつあしもとよりはじまりて」
② 足の下部
狭衣物語(1069‐77頃か)四「いろいろの姿ども着こぼして、足もとしたためつつ」
③ 歩き方。足つき。
源氏(1001‐14頃)夕顔懸想人のいとものげなきあしもとを見つけられて侍らむ時」
※狭衣物語(1069‐77頃か)一「袈裟(けさ)かづきて走りつらむ足もと思し出づるに」
④ その人のごく身近のあたり。また、その状況。身辺
※栄花(1028‐92頃)若水「事あり顔なる面もち、足もとなどの見やらるる、いとをかしきに」
浮世草子・日本永代蔵(1688)三「足もとにかかる事を、今迄しらぬ事の残念」
⑤ 座の位置。席順
六波羅殿御家訓(13C中)八条「酒宴座席にては、貧けならん人をは、上にもあれ、下にもあれ、ことはを懸て、坐の下にもあらんをは、『是へ是へ』と請すへし。足本をわくへからす」
家屋の脚部。家屋の根太から土台に至る部分をいう。
⑦ はきもの。おもに、劇場等の用語として用いられる。
⑧ 劇場で、俳優楽屋舞台裏を通る時、その足のあたりを照らすあかり
⑨ 稲こきの時、足のあたりに落ちた穀物。がんぞ。とどろ。
⑩ 鰭(ひれ)をいう。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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