趙左(読み)ちょうさ(英語表記)Zhào Zuǒ

改訂新版 世界大百科事典 「趙左」の意味・わかりやすい解説

趙左 (ちょうさ)
Zhào Zuǒ

中国,明末の画家。字は文度。華亭(上海松江県)の人。若いとき,北京に遊び詩で名を知られ,また晩年,唐棲(浙江省)に移り住んだ。山水は宋旭に師事し,董源黄公望,倪瓚(げいさん)などを学んだ。その特徴は,江南の水気豊かな気象を反映して,山石を雲煙によって朦朧(もうろう)と柔らかくつつむところにあり,同郷沈士充・呉振などとともに雲間派蘇松派)を形成。また董其昌(とうきしよう),陳継儒と交友があり,ときに董其昌の代筆をしたといわれる。
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百科事典マイペディア 「趙左」の意味・わかりやすい解説

趙左【ちょうさ】

中国,明末の文人画家。生没年不詳。字は文度(ぶんたく)。江蘇華亭の人。万暦年間(1573年―1620年)後半以後に活躍した。山水画を得意とし,水気の少ない焦墨を用いて個性的に表現画風には同郷,同時代の董其昌(とうきしょう)の影響がみえる。趙左を始祖とする画派を蘇松派という。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「趙左」の意味・わかりやすい解説

趙左
ちょうさ
Zhao Zuo

中国,明の万暦期 (1573~1620) の後半に活躍した文人画家。松江 (上海) の人。字は文度。宋懋晋 (そうぼうしん) とともに宋旭に師事し,のちには董源,黄公望,倪 瓚 (げいさん) を学ぶと評された。同郷の董其昌,陳継儒らと親しくその影響を受け,董其昌の贋本を作ったともいわれるが,焦墨枯筆を用いて独自の様式をつくり上げた。趙左を祖とする一派を蘇松派と呼ぶ。

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