越訴方(読み)おっそかた

山川 日本史小辞典 改訂新版 「越訴方」の解説

越訴方
おっそかた

越訴(再審)を担当する鎌倉幕府訴訟機関の一つ。越訴は一般の所務沙汰同様,引付(ひきつけ)で審理されたが,1264年(文永元)金沢(かねざわ)(北条)実時・安達泰盛頭人と,数名の奉行人からなる越訴方が創設された。以後,頭人には執権・連署につぐ有力な評定衆が任命されたが,得宗北条貞時の専制下では改廃がくり返され,一時的には越訴は北条氏得宗家被官の管理するところとなった。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の越訴方の言及

【越訴】より

…初期における越訴の制のあり方は不明であるが,鎌倉時代の中期に引付が置かれると,越訴も引付で処理された。やがて1264年(文永1)に至って越訴を専門に扱う機関が設けられて,越訴方と称された。越訴方は越訴頭人と越訴奉行人とで構成される。…

※「越訴方」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」