起立・歩行のみかた

内科学 第10版 「起立・歩行のみかた」の解説

起立・歩行のみかた(神経疾患患者のみかた)

(9)起立・歩行のみかた
 起立は,立位の姿勢を観察し,ついで片足でも立てるか,また継ぎ足姿位をとれるかを確かめる.閉脚起立して,閉眼により急に体の動揺が明らかになれば,Romberg徴候が陽性と判定し,深部感覚障害が示唆される.また立位では立ち直り反射の異常の有無を確かめる.特に後方突進現象(retropulsion)はParkinson症状として重要である.
 ついで,歩行を観察し,歩行時の姿勢,両腕の振り,ステップの大きさ,歩幅,歩行のリズム,膝関節の柔軟性,足の接地の仕方などを評価する.方向転換が正常に行えるかを観察することも大切である.ついで,つま先歩行と踵歩行,継ぎ足歩行を観察する.これらの所見を総合して,痙性,失調性,動揺性,Parkinson性,鶏歩などの歩行障害の特徴を把握する.[西澤正豊]
■文献
水澤英洋,宇川義一編著:神経診察:実際とその意義,中外医学社,東京,2011.
水野義邦編:神経内科ハンドブック 鑑別診断と治療 第4版,医学書院,東京,2010.

出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報

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