貫乳(読み)カンニュウ

デジタル大辞泉 「貫乳」の意味・読み・例文・類語

かん‐にゅう〔クワン‐〕【貫乳】

陶磁器うわぐすり表面に、焼き加減でできた細かなひび。陶磁器鑑定のとき重視される。にゅう。貫入。

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精選版 日本国語大辞典 「貫乳」の意味・読み・例文・類語

かん‐にゅう クヮン‥【貫乳・貫入ニフ

〘名〙
① 陶磁器の釉(うわぐすり)の表面に、割目のように細かくはいったひび模様。陶器が焼き上がり、冷却する際、素地(きじ)と釉の収縮率の差から生ずる。釉の厚さ、焼成度、冷却の速度によってひび模様のはいり方に違いが生ずる。乳(にゅう)罅入(かにゅう)
※実隆公記‐享祿二年(1529)七月二六日「宗牧茶垸鉢〈くわんにう〉進之」
※蝶の皿(1969)〈秦恒平〉「釉は薄い胎土に幾重にもかかり、大小多彩な貫入が無数にひびき入っております」
品物などにひびが入ること。疵(きず)がつくこと。また、そのひびや疵。
※雑俳・柳多留‐二八(1799)「かんにうの入た娘は声かわり」

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