負動産(読み)ふどうさん

知恵蔵mini 「負動産」の解説

負動産

所有者が不明だったり、市場価値を失ったりして、税負担や管理コストが資産価値を上回っている状態の土地。核家族化の進行や地方の人口流出、不動産を所有したまま死亡する高齢者の増加地価下落などを背景に土地の相続が滞っていることで急増しており、放置された建物防犯衛生の点でリスクになったり、災害復旧の障害になったりする恐れもある。民間有識者の研究会の試算によると、国内で所有者が不明となっている土地の面積は2016年時点で約410万ヘクタールで、40年には北海道本島の面積の約90パーセントに相当する約720万ヘクタールに広がり、土地の利用機会の喪失などによる経済的な累積損失額は約6兆円に上るという。

(2018-2-1)

出典 朝日新聞出版知恵蔵miniについて 情報

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