諏訪大社上社前宮神殿跡(読み)すわたいしやかみしやまえみやこうどのあと

日本歴史地名大系 「諏訪大社上社前宮神殿跡」の解説

諏訪大社上社前宮神殿跡
すわたいしやかみしやまえみやこうどのあと

[現在地名]茅野市宮川 小町屋

上社本宮(現諏訪市)の東南約一・五キロ、守屋もりや山の北麓、旧東山道あずまやまみち伊那から諏訪への入口である杖突つえつき峠直下の小段丘上にある。前宮のある一帯神原ごうばらとよばれ、上社大祝代々の居館があった所で、大祝の職位式及び三月酉日の大御立座おおみたてまし神事をはじめ、上社の重要な神事のほとんどがこの神原で行われた。

大祝の居館は神殿とよばれ、「社例記」に(大祝は)「座夏鹿皮褥、不受死穢之服、故以住宅号神殿」とあり、最も神聖な場所とされた。

また、大祝職位の儀式では、大祝職位事書の建武二年(一三三五)時継職位の記事に、「神殿西ニ柊木有、鶏冠大明神と申、その木の本ニ石有、その石上葦をしき御装束着、(中略)神殿の内間に居給ふ神おハしますに仍て、神殿と申なつけまいらせて、それにて祈念を申、我身ハすてニ大明神の御正体と罷成候いぬ」とあり、現人神としての大祝の職位の場所である鶏冠けいかん社が現存する。境内に現存する十間廊じつけんろうは、古くは神原廊ごうばらろうとよばれ、「諏方大明神画詞」の大御立座神事の条に「神殿神原廊ニシテ神事饗膳アリ、禽獣ノ高モリ、魚類ノ調味美ヲ尽ス」とみえ、永禄八年(一五六五)武田信玄の「諏方上下社祭祀再興次第」には、「三月一の御頭、初の酉之日於于十間廊勤之」とある。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

事典・日本の観光資源 「諏訪大社上社前宮神殿跡」の解説

諏訪大社上社前宮神殿跡

(長野県茅野市)
信州の史跡百選指定の観光名所。

出典 日外アソシエーツ「事典・日本の観光資源」事典・日本の観光資源について 情報